インカジとオンカジ(オンラインカジノ)は名前がかなり似ていますが、全く異なるものです。そこで本記事では、そもそもインカジとは何なのか、具体的になぜ違法なのか、摘発事例から捕まる理由を解説していきます。

インカジは100%違法で逮捕されるので利用は絶対にNG
冒頭でも述べた通りインカジは違法です。どれだけ甘い誘い文句があったとしても、逮捕されたくないのであれば絶対に利用してはいけません。
そもそもインカジとはどのような仕組みのカジノ?
インカジとはバカラやポーカーなどの賭博、さらにオンラインカジノを楽しめるように設計された店舗です。俗に「闇カジノ」と呼ばれることもあります。
実際の利用上の流れは店舗によりけりですが、店先でチップを購入して賭けを行い、ゲーム終了時に残っていたチップの枚数に応じて払い戻しを受けられるというような仕組みが一般的です。
オンラインカジノのように利用するために個人情報を提供する必要がなかったり、稼いだ勝利金はすぐに換金できたりするといったような点にインカジの特徴が見られます。
なお、雑居ビルの一室など目立ちにくい場所にあることが一般的です。また長く同じ場所に位置していると目を付けられてしまうため、短期間で場所を転々とするケースも多くあります。
インカジは運営も利用も完全に日本では違法
オンラインカジノに違法性がないという知識が頭に入っていると混乱してしまう可能性もありますが、インカジは運営者も利用者も完全に日本では違法です。
運営側になることはないと思いますが、利用するだけでも違法性を問われてしまうので注意しなければなりません。
具体的にどのような程度の刑罰を受けることになるか、詳しくは後述します。しかし最低でも罰金刑が科せられたり、さらに前科持ちになってしまったりと、その後の社会生活を送る上でのデメリットも少なくありません。
インカジは現行犯でなくても逮捕される
インカジや闇カジノの摘発に関するニュースでは、運営中の店舗に警察が押しかけて現行犯逮捕するという姿がよく見られます。そのため「インカジは現行犯でしか逮捕されない」というようなイメージを抱いている方もいるでしょう。
しかし実際には、現行犯でなくても利用記録や監視カメラの映像などが残っている場合には、捜査の過程で逮捕されてしまうことも珍しくありません。
つまり一度でもインカジに足跡を付けてしまえばアウトということです。
逆に実際には賭けを行っていないにも関わらず、警察が強制捜査に踏み切ったタイミングでインカジの店内にいれば、巻き添えで逮捕を食らってしまうこともあるでしょう。
とにかく、絶対にインカジを利用してはいけないということは頭に入れておくようにしてください。
インカジ摘発で逮捕された場合に科せられる刑罰の程度を解説
仮にインカジの摘発にあい逮捕された場合には、どのような刑罰を科せられることになるのでしょうか。具体的な刑罰の程度は、利用状況によって異なります。それぞれ詳しく解説します。
インカジの常習性のないプレイヤーが逮捕された場合
初めてインカジを利用した、または時々しかインカジを利用していないというように、常習性が認められないプレイヤーが逮捕された場合は刑法185条の単純賭博罪が適用されます。
●単純賭博罪(刑法185条)
賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供するものを賭けたにとどまるときは、この限りでない。引用元:刑法 | e-Gov法令検索
具体的な刑罰内容は最大50万円の罰金です。2016年にスマートライブカジノ事件で逮捕されたプレイヤーについても、略式起訴を受け入れた2名のプレイヤーには罰金刑が科せられました。
なお、具体的にどのくらい利用していると常習性があると認められるか、明確な基準はありません。実際の判断はその時々の警察や司法に委ねられます。
インカジの常習性があるプレイヤーが逮捕された場合
頻繁にインカジを利用しているなど、常習性が認められるプレイヤーは、常習性がないプレイヤーの逮捕と比べて重い処分が適用されます。具体的な罪状は刑法第186条1項に定められている「常習賭博罪」です。
●常習賭博罪(刑法186条1項)
常習として賭博をした者は三年以下の懲役に処する。引用元:刑法 | e-Gov法令検索
常習賭博罪と認められた場合には、3年以下の懲役刑を受けることになります。初犯の場合には執行猶予が認められることもありますが、認められない場合には刑務所の中で一定期間は刑務作業を行わなければなりません。
懲役刑を経て社会復帰を果たしたとしても、前科持ちとなればなかなか雇ってもらうことも難しくなってしまうでしょう。そう考えると、一度逮捕されてしまえば単に懲役刑を受ける以上に大きなダメージを受けることになると言えます。
インカジの運営者が逮捕された場合
インカジの利用者が逮捕されてしまうのは、そもそもインカジを運営するような人間がいることが理由です。そのためインカジの運営者には最も重い刑罰が適用されます。具体的な罪状は刑法第186条2項に定められている賭博場開帳図利罪です。
●賭博場開帳等図利罪(刑法186条2項)
賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。引用元:刑法 | e-Gov法令検索
インカジの運営者は最短3ヶ月以上最長で5年以下の懲役を受けることになります。5年という期間があれば、オリンピックやワールドカップなどが2回行われることになるため、大きく人生の時間を失ってしまうことになりかねません。
単にインカジを運営するだけではなく、オンラインカジノのアカウントを第三者に貸し出すといったようなケースも、賭博罪開帳図利罪に問われる可能性があります。
逮捕以外にもあるインカジを利用する危険性を解説
インカジを利用する最大のリスクは何と言っても逮捕されることです。しかし逮捕される以外にも、インカジの利用には様々な危険性が伴います。
具体的に4つの危険性について、詳しく解説していきます。
インカジの危険性①暴力団に目を付けられる
インカジを運営する組織の頂点には暴力団などの反社会的組織が存在します。
インカジが違法であるにも関わらず連日のように摘発が相次いでいるのは、結局警察がモノを言えるのは店長クラスまでで、最上流階級は突き止められないという理由もあるようです。
インカジを利用すると、当然あなたの情報がインカジ経営の関係者に知れ渡る危険性もあります。仮に大勝利を挙げたとすれば、インカジから自宅への帰り道の道中に反社の人たちに襲撃される、なんていうこともあり得ない話ではありません。
インカジの危険性②犯罪に巻き込まれるケースがある
インカジの利用者は、自分がインカジを利用したという後ろめたさがあるために、何かトラブルや犯罪に巻き込まれても警察に届け出にくくなるという危険性もあります。
というのも、様々な調査を経てインカジの利用がバレれば、自分自身も逮捕されてしまう可能性があるためです。
実際にインカジ経営者やユーザーの後ろめたさを突いた犯罪も発生しています。
簡単に言うと、インカジを利用したり経営したりした場合には、その後の犯罪のターゲットとして狙われやすくなってしまうということです。
インカジの危険性③ある日突然資金をトンズラされる可能性がある
記事の前半でも述べた通り、インカジは短期間でどんどん場所を移動するという傾向にあります。そのため昨日までは普通に運営されていたのに、今日足を運んでみたらすでにがらんどうになっているというケースも珍しくありません。
よってインカジに預けていた資金がそのままトンズラされるという危険性もあります。
また、そもそもインカジでの遊戯を通じて利益を稼げたとしても、オンラインカジノのようにライセンス規制を受けていることはないため、確実に資金を引き出せるという保証もありません。
インカジの危険性④個人情報を悪用される可能性がある
インカジを利用すると、少なくとも店舗スタッフには個人情報が知られてしまいます。すると個人情報が悪用される危険性もあります。
仮に店舗のスタッフとトラブルになった場合、FacebookなどのSNSを使って脅迫の連絡をして来たり、最悪の場合には自宅や職場に押しかけてきたりする可能性すらあります。
逮捕に加えて上述したような様々なリスクを踏まえると、わざわざインカジを利用するメリットはほとんどないと言わざるを得ません。