最近は日本でもオンラインカジノがメジャーになってきましたが違法性を指摘する声も多々見られます。そこで本記事ではオンラインカジノの利用は違法にあたるのか、具体的な摘発事例とともに解説してみました。

オンラインカジノの違法性は専門家(弁護士)の意見も二分されている
オンラインカジノが違法であるのか、それとも合法であるのかは、具体的に法律に規定されているわけではありません。
朝食は食べるのが健康的という意見もあれば、朝食を食べるのは不健康という意見もあるように、オンラインカジノの違法性も専門家の間で意見が二分されています。
2020年にはAbema TVで放映されたオンラインカジノの違法性に関する論議も話題となりました。
専門家でも意見が割れている以上は、素人が断定的なことをいうことはできません。
オンラインカジノは違法ではなく合法派の主張
オンラインカジノを違法性がなく合法だと主張する論拠としては、海外の会社が運営し、なおかつサイトのサーバー拠点も海外にあるため、オンラインカジノの利用は海外のカジノプレイと同じという点が挙げられます。
仮に海外旅行に出かけてカジノプレイを楽しんだのちに、帰国しても逮捕されないのと同じようなイメージです。
オンラインカジノの合法性を主張する有名な弁護士に、津田岳宏氏がいます。
外部リンク:不起訴の勝ち取りーオンラインカジノプレイヤーの件 | 麻雀プロ弁護士津田岳宏のブログ (ameblo.jp)
後述するオンラインカジノの不起訴処分を勝ち取ったことでも有名な弁護士です。
オンラインカジノは違法派の主張
一方でオンラインカジノの違法性を主張する論拠としては、運営実態がどうであれ、実際にお金を賭けて賭博を行っているのに変わりはないという点が挙げられます。
実際に警察庁も、「オンラインカジノは完全に違法なので、賭博罪での検挙は可能」という立場を表明しています。

パチンコ・パチスロ業界とも繋がりがある警察組織として、客離れの原因にもなりうるオンラインカジノはなるべく利用者を増やしたくないという思惑もあるのかもしれません。
しかし警察庁が「別にいいよ」と言っているわけではないだけに、オンラインカジノの利用には違法性もあるということをしっかりと理解しておく必要があります。
違法性はゼロでなくてもオンラインカジノは逮捕されない可能性が高い
実際にオンラインカジノは完全に合法であるとは認められていません。そのためオンラインカジノの利用には違法性もあると言えます。
しかし実際にはオンラインカジノを利用したとしても、逮捕されない可能性が高いのが現状です。具体的な理由について詳しく解説します。
オンラインカジノは海外運営なので警察が強制的に捜査を行うことができない
警察を始めとした官公庁組織は、必要があれば国内の個人や法人などに対して公権力を駆使して強制的な捜査を行うことができます。しかしあくまでも強制的な捜査をできるのは国内においてのみです。
上述したようにオンラインカジノ各社は海外の企業に運営されているため、公権力が介入することはできません。
そのため利用者が実際にオンラインカジノを利用している証拠を集めようと思ったところで、ほぼ不可能というのが現実です。証拠が揃えられない以上は、逮捕令状を取ることもできません。
また警察としてはオンラインカジノのユーザーを摘発する以上に優先すべき事案を多数抱えています。
オンラインカジノ利用者の検挙に成功したところで、せいぜい数十万円の罰金を納めさせることしかできないため、リターンが小さい点も否めません。
自動車の運転でスピード違反をしたり、一時停止を守らなかったりしても、バレなければ難を逃れられることと同じです。違法性がある場合でも、必ず罰則を受けるとは限りません。
オンラインカジノは既に何百万人もの日本国内のプレイヤーが逮捕されていない実情がある
2021年初頭に行われた調査では、既に日本国内には288万人ものオンラインカジノプレイヤーがいるようです。
当該調査の結果によると、我が国居住者のオンラインカジノ経験率は「人生の中で一度でも利用したことがある」と答えた生涯経験率が2.3%の国内推計288万人、「間近1年で利用したことがある」と答えた現役ユーザーとしての経験率が1.6%の国内推計203万人であることがわかりました。
Yahooニュースという大きなメディアで情報が公開されている以上、警察が把握していないはずもありません。しかしオンラインカジノの利用者を逮捕しようとする動きが見られないのが実情です。
ユーザーが激増しているにも関わらず対応を施さないという姿勢を見ると、もはやオンラインカジノは合法と認められているのではないかとすら感じられます。
個人が特定できるオンラインカジノのプレイヤーですら逮捕されていない
上述した通り、オンラインカジノは海外の企業に運営されているため、実際に利用しているという証拠を揃えにくいという事情もあります。
しかし顔出しでYouTube配信をしているなど、警察側としても個人を特定しやすいプレイヤーですら、逮捕されていません。
現行犯で逮捕しようと思えばできるにも関わらず、していないということです。こういった事実も、オンラインカジノの利用には違法性がないということを示唆しています。
コンプライアンスに厳しいメディアでオンラインカジノのCM放映が活発になっている
最近はベラジョンカジノやミスティーノ、カジ旅といったオンラインカジノのCMが日本国内でも放映されるようになりました。
特にミスティーノは橋本マナミや松井珠理奈、ジャングルポケット斎藤慎二など著名人を起用していることでも話題です。

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仮にオンラインカジノが違法なのであれば、事務所側がアンバサダーとしての登用にOKサインを出すはずもありません。
もちろん宣伝をしているのは実際のリアルマネーを賭けない無料版であるという点には留意する必要があります。
しかし無料版とは言えCMの放映が行われている状況であれば、オンラインカジノの違法性はほとんど問われなくなったと言っても大げさではありません。
日本国内でもカジノ合法化の動きが進んでいる
2013年頃から日本国内でカジノ合法化の動きも進んでいます。最近では横浜市長選挙など、カジノ誘致関連を争点とした政治的な動きも活発です。
順調に進んでいたカジノ誘致の動きは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で若干鈍化した面は否めません。しかしベクトルは合法化に向いているのは事実です。
将来的にはオンラインカジノの違法性に関する議論すら行われなくなり、完全に合法なギャンブルとして認められている可能性もあります。
オンラインカジノの違法性を問われたプレイヤーの摘発事例を解説
オンラインカジノの違法性に関してネット検索をしてくると出てくるのは、2016年に実際に逮捕されたプレイヤーがいるという事例です。
具体的にどのような事件だったのか、またどんな結末を迎えたのかという点について、詳しく解説していきます。
オンラインカジノ「スマートライブカジノ」をプレイした3名のプレイヤーが逮捕
日本人のオンラインカジノプレイヤー3名が逮捕されたのは、スマートライブカジノというオンラインカジノを利用していたためです。

オンラインカジノの利用者が初めて逮捕されたということで、業界にも激震が走りました。
警察がオンラインカジノのプレイヤーを特定できた理由
実際には特定が難しいと言われるオンラインカジノで、警察が3名のプレイヤーを特定できたのには以下のような理由があります。
- ライブチャットの書き込みがあった
- 逮捕されたプレイヤーがブログでプレイ状況を公開していた
また海外サイトであるにも関わらず逮捕された理由としては、実態としては日本人専用のオンラインカジノとして運営されていた点が挙げられます。
逮捕された3名のうち2名は略式起訴による罰金刑を受け入れた
オンラインカジノをプレイしていたとし逮捕された3名のプレイヤーのうち、2名は略式起訴による罰金刑を受け入れました。略式起訴とは裁判を行わずに判決を下すという方法です。軽犯罪などではよく略式起訴が行われます。
略式起訴の場合もちろん前科はついてしまいますが、身柄を長く拘束されるということはありません。
逮捕された残る1名は弁護士をつけて徹底抗戦をし、最終的に不起訴処分を獲得
オンラインカジノの違法性を小さくしてくれたのは、略式起訴を受け入れなかった1名のプレイヤーがいるためです。残る1人はオンラインカジノの利用による逮捕を不服として、弁護士をつけて徹底抗戦を行いました。
そして数か月間に及ぶ戦いの末、最終的に不起訴処分を勝ち取ることとなります。上述した通り、不起訴処分とは裁判所が「お咎めなし」と判断したということです。
【結論】オンラインカジノの利用に違法性がないという判例ができた
1人のプレイヤーが不起訴処分を勝ち取ったことは、オンラインカジノ業界において重要な意味を持ちます。現行法の下では、同じようにオンラインカジノをプレイしても逮捕されることはないと断言できるためです。
また元々件のプレイヤーが逮捕された理由として、「日本人専用だった」という点も挙げられますが、最近はEvolution Gamingが日本人専用のライブテーブルを多数運営するようになりました。


もちろん日本人専用のライブテーブルでプレイしたという理由で逮捕されたプレイヤーもいません。
そのためスマートライブカジノ事件によりプレイヤーが逮捕されたことは、警察側の法律解釈ミスだった、権力を濫用したと言えるでしょう。
その他オンラインカジノ関連の摘発事例
上述したスマートライブカジノ事件以外にも、2016年にはオンラインカジノ関連で逮捕者が出た事例がありました。
いずれもプレイヤーではなく、運営側の人間が逮捕された事例なので、これからオンラインカジノを利用しようとする方がそこまで不安視する必要がありません。
オンラインカジノの摘発事例:NetBanq事件
NetBanq事件は、スマートライブカジノ事件と同時期に、オンラインカジノの入出金に使えるNetBanqという決済サービスを運営していた人間が逮捕されたという事件です。
実際に逮捕者は賭博を行ったわけではないものの、罪状は常習賭博罪だったようです。
今ではエコペイズやヴィーナスポイントといった決済サービスがオンラインカジノの入出金手段としては主流になっており、そのようなサービスを使っておけば違法性を問われることもありません。
オンラインカジノの摘発事例:ドリームカジノ事件
ドリームカジノ事件は2016年6月に、ドリームカジノというオンラインカジノの運営に関わっていた人物5名が逮捕された事件です。
ドリームカジノの運営会社自体はオランダ領キュラソー島に本拠を置いていたものの、実質的な経営が京都府内で行われていたということで、逮捕されるに至りました。
逮捕されたのは運営側の人間のみで、プレイヤーは逮捕されていません。
ちなみにドリームカジノはそのまま閉鎖され、資金がきちんと払い出されないというトラブルに発展しました。
最終的にはカリビアンカジノがユーザーへの資金返還を行ったものの、オンラインカジノを選ぶ際には閉鎖の危険性などにも注目してみる方が良いでしょう。
日本国内から賭け事をする訳ですから、賭博罪に該当するのではないか!
現状はグレーですが、ネット賭博罪の法整備が必要ではないでしょうか?