オンラインカジノで稼いだ所得は確定申告をする必要があります。そこでこの記事では、オンラインカジノの確定申告方法について、具体的な収支表や申告書の書き方も含めて詳しく解説をしてみました。

オンラインカジノの確定申告方法を解説
オンラインカジノの確定申告方法について、最低限知っておくべきポイントをいくつか解説します。
確定申告の申告時期は2月16日から3月15日
申告期限はオンラインカジノでも通常の確定申告と同じ2月16日から3月15日です。しかしコロナウィルスの影響が大きく出た2020年及び2021年のように、申告期限が延長されることもあります。
期限内に申告しない場合には、追徴課税や延滞税の対象となり、期限内に申告した場合よりも高額の税金を支払わなければならなくなりますので、必ず期限を守るようにしましょう。
申告するのは前年(1月1日から12月31日)にオンラインカジノで稼いだ利益額
オンラインカジノの確定申告に際して申告するのは前年1年間の利益額です。年が明けて以降に発生した利益については翌年の申告対象となります。初めて申告する場合は結構こんがらがってしまうことも多いので注意してください。
ちなみにオンラインカジノの利益は競馬の払戻金などと同じ「一時所得」に分類されます。
1 一時所得とは
一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
この所得には、次のようなものがあります。(1) 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)
(2) 競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除きます。)
(3) 生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等
(4) 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものを除きます。)
(5) 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等
オンラインカジノの利益額の計算方法
オンラインカジノの利益額は以下の計算式により算出できます。
利益額=1年間の総出金額ー1年間の総入金額
注意したいのはオンラインカジノから電子決済サービス(エコペイズ・ヴィーナスポイントなど)に出金した金額は含まないということです。あくまでも銀行口座に着金した金額が利益額の対象となります。
また電子決済サービスからオンラインカジノに入金した金額も入金額には含みません。入金額として計上できるのは、銀行口座に直接記録が残る取引のみです。具体的には
- エコペイズのローカル入金に使った金額
- デビットカードでオンラインカジノに入金した金額
- クレジットカードでオンラインカジノに入金した金額(直接記録は残らないが、後日記録が残る)
- 銀行振込によりオンラインカジノに直接入金した金額
などが対象となります。
オンラインカジノの所得額(一時所得)の計算方法
オンラインカジノの利益はすべて一時所得として計上される訳ではありません。1年間の利益額が計算できた後は、一時所得の計算式に当てはめて一時所得金額を算出します。具体的な計算式は以下の通りです。
一時所得=(利益額ー特別控除額50万円)×2分の1
仮に利益額が50万円を下回る場合には、一時所得の金額はマイナスになります。そのため税額は発生しません。つまり申告は不要ということになります。
例えば1年間の出金額が200万円、入金額が30万円だった場合には、以下の通り計算することができます。
- 1年間の利益額:170万円(=200万円ー30万円)
- 一時所得の金額:60万円(=(170万円ー50万円)×2分の1)
よってオンラインカジノの利益から算出される一時所得の金額は60万円です。この60万円が課税標準となり、所得税の課税対象になります。
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オンラインカジノの確定申告で利益額ごとの税率及び控除額
オンラインカジノに限らず所得税は累進課税を採用しているため、稼げば稼ぐほど高率の税率が課せられることになります。具体的な利益額ごとの税率及び控除額は以下の通りです。
一時所得の金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 9万7500円 |
330万円超695万円以下 | 20% | 42万7500円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 63万6000円 |
900万円超1800万円以下 | 33% | 153万6000円 |
1800万円超4000万円以下 | 40% | 279万6000円 |
4000万円超 | 45% | 479万6000円 |
最終的な税額は「一時所得金額×税率ー控除額」により算出されます。例えば上記で紹介した1年間の利益額が170万円のプレイヤーの場合は一時所得金額が60万円ですので、税率5%控除額0円が適用されるため
所得税額=60万円×5%ー0円=3万円
となります。
なお一時所得金額は他の所得と合算して課税される「総合課税」ですので、最終的にどれだけの税額を収めるのかということは他の事業所得や給与所得、さらに家族構成などによって変動します。
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オンラインカジノの入出金を仮想通貨で行っている場合の確定申告
仮想通貨でオンラインカジノの入出金を行っている場合には、最終的に仮想通貨ウォレットから銀行口座に出金した金額に対して課税されます。しかし所得の種目が「一時所得」ではなく「雑所得」になるという点に注意してください。
雑所得は「総出金額ー総入金額」で計算されます。一時所得とは違って特別控除額や2分の1掛けがないのが特徴です。そのためオンラインカジノで稼いだ利益額が同額であっても、仮想通貨で入出金を行っている方が重い税負担になってしまいます。
仮想通貨はオンラインカジノの節税手段としてよく紹介されますが、実際には一時的に税金を支払うのを遅らせているに過ぎず、最終的に支払う段になった場合にはそれなりに大きな金額を支払う必要があるという点は知っておきましょう。
なお、雑所得も総合課税のため、他の所得と合算した上で課税金額が決定します。
オンラインカジノで確定申告が不要なケース
オンラインカジノで稼いでも必ず申告しなければならないという訳ではありません。計算方法のところでも解説したように、1年間の利益額が50万円以下の場合には申告不要です。
50万円以上の利益の場合には必ず申告が必要ですが、必ずしも課税されるとは限りません。医療費控除や生命保険料控除、障害者控除などにより最終的に課税金額が0円になるということもあります。
オンラインカジノで生じた税金の納税期限
オンラインカジノの利益から生じた税金の納税期限は、他の所得税と同じく3月15日です。納期限を送れると延滞金が発生したり、税務署の徴税吏員からの督促を受けたりすることになりますので、忘れずに納税しましょう。
「お金があるとついついオンラインカジノに入金してしまう」というような方は、「納税準備預金」などを活用して必ず納税資金を準備しておくようにしてください。
なお所得税を支払ったらそこで終わり、という訳ではありません。最終的な所得金額の10%分は住民税として、別途徴収を受けることになります。
住民税は特別徴収ならば6月以降の給与から天引き、普通徴収ならば納付書が届きます。所得税と比べると1回で出ていく金額が小さくなるものの、納税を怠るとやはり延滞金や督促、催促、さらに言えば資産の差し押さえを受ける可能性もありますので注意してください。
オンラインカジノの確定申告手順!申告書の書き方も解説
続いて実際にオンラインカジノに確定申告をする際の手順を、申告書の書き方も踏まえて解説します。CMでもよく見るように、税務署はパソコンやスマートフォンから申告できる「電子申告」を推奨していますので、今回も電子申告を行うケースが対象です。
電子申告ならば一時所得の金額や税額の計算など、すべてコンピューターが自動で行ってくれますので非常に便利です。
申告手順①確定申告書を作成するため国税庁のホームページにアクセス
確定申告書を作成するために、最初の手順としてまずは国税庁のホームページにアクセスしましょう。
申告手順②電子の確定申告書を開く
国税庁のホームページにアクセスできたら、ディスプレイ右側にある「確定申告特集」というバナーをクリックしてください。
続いて「確定申告書等の作成はこちら」というバナーをクリックします。
続いて「作成開始」をクリックします。
確定申告書の提出方法が問われますので、いずれか好きな方法を選択してください。
「利用規約に同意して次へ」というボタンをクリックします。
申告したい年度を選択します。
「所得税」を選択します。
すると以下のような申告書の作成画面へと遷移しました。
「作成開始」をクリックすると生年月日及び申告に関する質問が表示されますので、回答した上で「次に進む」をクリックしてください。
申告手順③所得の種類から「一時所得」を選ぶ
「収入金額・所得金額」というページに遷移しているので、「一時所得」を選んでクリックしてください。
申告手順④オンラインカジノの利益について記載する
続いての申告手順は、オンラインカジノの利益(一時所得)について記載していきます。
- 種目
- 名称
- 場所
- 収入金額(銀行口座への着金額)
- 必要経費(オンラインカジノへの入金額)
- 源泉所得税額
種目、名称、場所はどのように入力するか迷うと思いますが、空欄でもOKです。何か書いておきたいという場合には種目に「懸賞金」と書いておきましょう。
収入金額と必要経費はそれぞれ自分の記録をもとにして入力してください。源泉徴収がなされることはないので、源泉所得税額は0と入力すればOKです。
申告手順⑤一時所得の金額が確定する
前ステップの入力が完了すると、自動的に一時所得の金額が表示されています。
今回は1年間の利益額が400万円になるケースで入力してみました。計算してみると、最終的に175万円の一時所得ということになります。
その後の申告手順
確定申告はオンラインカジノの利益だけを申告するわけではありません。その後は他の所得についても入力します。
さらに所得控除や税額控除も入力した上で、最終的に税額が決定するという流れです。サラリーマンや公務員など給与所得者の場合は先ほどの手続きでほぼ税額が確定しますが、個人事業主やフリーランスの場合は、大きく税額が変動する可能性があります。
オンラインカジノの確定申告についてQ&A形式で解説
最後に、オンラインカジノの確定申告をする際に知っておきたいポイントをQ&A形式でいくつか解説します。
Q1)オンラインカジノの収支表は申告時に添付する必要がある?
収支表は添付不要です。というよりも、そもそもオンラインカジノ側は収支表を発行してくれません。私自身、これまで数年間収支表を添付せずに申告をしていますが、一度もお咎めなしです。
しかし税務署の職員によって取り扱いが異なることもあります。仮に何か書類を添付した方が良いという場合には、エクセルやスプレッドシートなどで月々の収支表を作成して添付しておくようにしましょう。
Q2)一時所得の種目に「カジノ」と書いても問題ない?
一時所得の種目に「カジノ」と記載するのはあまりおすすめできません。少なくともカジノが完全に合法化されるまでは、「懸賞金」などの言葉でに濁しておいた方が賢明です。
空欄でも問題ない事項ですから、わざわざカジノと記載しないようにしましょう。仮に問題があるのだとしても、確定申告時期の税務署職員はかなり忙しいですから、そんな小さなことに目を付ける暇もありません。
Q3)副業禁止の会社だけど確定申告するとオンラインカジノの利益がバレない?
副業やオンラインカジノの利益がバレるとマズい方は、住民税の徴収方法から「自分で納付」を選べばOKです。
特別徴収にすると会社の給料から天引きすることになるため、副業で稼いでいる事実がバレてしまいます。しかし「自分で納付」なら自宅に納付書が送付されてくるので、バレる心配はありません。
副業がバレるのが怖いからと、申告しないでいると税務署から会社に連絡が行くといった危険性があります。万が一特別徴収にチェックをしてしまった場合でも、4月中くらいであれば居住している市役所の納税課に電話することで、徴収方法を変更してもらうことが可能です。
Q4)税務署に行って確定申告するのと電子で申告するのはどっちがお得?
確定申告は申告方法により税額が変わるわけではありませんが、確実に電子申告の方がお得です。確定申告期間中の税務署は連日とんでもない混雑となっているため、かなりの時間待たされます。私も1回だけ税務署に足を運んだことがありますが、耐えられないレベルの苦痛でした。
当然三密によるコロナウィルス感染拡大の懸念もあるため、個人的には電子申告一択です。
Q5)確定申告の申告内容は書き間違えても問題ない?
確定申告の申告書は正しく書くに越したことはありませんが、内容が誤っていたとしても見逃してもらえるケースは多々あります。実際に税務署に指摘されるか否かはある意味運次第です。ほかにもっと大きな修正が必要だったり、高額の所得隠しが絡んでいたりする案件があれば、当然そちらに比重を置いて税務署職員は仕事をすることになります。
内容を間違えるよりも期限内に申告しない方がよっぽど問題です。
Q6)税金さえ払えばオンラインカジノ絡みの支払いはすべて完了?
所得税だけではなく住民税の支払いも必要になる点は説明した通りです。しかしオンラインカジノの利益の影響はまだあります。具体的には社会保険料です。社会保険料は所得比例なので、オンラインカジノでの利益額が大きくなれば、翌年の保険料負担も大きくなる可能性があります。
オンラインカジノの確定申告方法!収支表や書き方:まとめ
この記事ではオンラインカジノの確定申告方法について、収支表や書き方など詳しく解説をしました。
ずっとサラリーマンとして働いてきて確定申告の経験がない方はかなり難しさを感じると思いますが、意外と簡単です。今ではパソコン一台で簡単に申告をすることができますから、必ず期限を守って申告するようにしましょう。
Q2)一時所得の種目に「カジノ」と書いても問題ない?
のところで質問なのですが、
名称:
場所:
は何と記入していますでしょうか?
申し訳ないです。
個別に関して税金のことは相談を受けてはいけないので税金関係に関してはお答えできないですm(__)m
お近くの税理士の無料相談でお聞きください。
申告する利益額(1年間の総出金額ー1年間の総入金額)の考え方について、競馬の場合は当たり馬券に対しての賭け金のみ控除の対象になります。
例えば100万円の配当になるジャックポットが当たった回転時のベット額が100円の場合、利益額は999,900円(100万円-100円)として申告が必要ではないでしょうか?
質問します
申告手順4の
必要経費(オンラインカジノへの入金額)は
その年の入金した総合計でいいんでしょうか?
回答よろしくお願いします